祈りのいらない世界で〜幼なじみの5人〜【実話】

上京の日を前日に迎えた5人。

新しく始まる生活に胸を弾ませながら、各家で家族と過ごすキヨ達。




そんな中、カゼの家では騒ぎが起こっていた。


カゼの兄、海と結婚したばかりの美咲は倉木家に住むようになった。



しかし2人はよく喧嘩をする。

喧嘩というより、海が一方的に美咲に怒鳴っているだけだった。




「………兄貴。近所に聞こえるよ」



今日も海の怒鳴り声が聞こえたカゼは、海と美咲のいる部屋を訪れた。




「お前には関係ないだろ。明日出て行くんだし」

「………そうだけど、何をそんなに苛ついてるの?毎日毎日怒鳴ってるけど」

「お前に話す必要はない。お前が出て行ってくれてせいせいする。…その偽りのウザい正義感とその面を見なくてすむからな!!」



海はカゼを睨むと、足を強く鳴らして部屋から出て行った。



カゼは力を込めた掌を開くと、隅で啜り泣く美咲に近寄った。