祈りのいらない世界で〜幼なじみの5人〜【実話】

雪も溶け、高校を無事卒業した5人は上京の日を待ちながら、今日もキヨの部屋でいつものように話していた。



「このネックレス、紐がボロボロになってきちゃったね」


「十何年も身につけてればボロボロにもなるさ」


「確か小学1年生の頃、初めて5人だけで夏祭り行った時露店で買ったのよね」




5人は肌身はなさず身につけているお揃いのシンプルな合金の輪っかのネックレスを触る。


十何年も身につけている為、輪っかをつるしている黒い皮紐は所々解れていた。




「今度新しい紐買いに行こっか。東京なら可愛い皮紐売ってそう」

「そうだな。紐が切れてネックレス無くしたら嫌だし、そうすっか」



キヨとイノリがそう話していると、お菓子を食べていたカゼがボソッと呟いた。



「………年季があるのはいい事だよ」



カゼはそう呟くと、再びお菓子を頬張り始めた。




「そっか。そうだよね!この紐も思い出が詰まってるし…切れるまではこのままでいっか」



キヨは納得すると頷いた。





5人の思い出や絆が刻まれたそのネックレスは、5人にとって宝物だった。