祈りのいらない世界で〜幼なじみの5人〜【実話】

大学に合格し、高校の卒業を目前に控えた頃。

季節外れの大雪が降った。




「イノリ!イノリっ!!カンナ達誘って雪合戦しようよ」

「あ!?寒いのにわざわざ外行くのかよ!それに俺は今、お袋に煙草バレて外出禁止にされてんだよ」




拒否られたキヨは負けじとベランダから身を乗り出し、イノリの部屋の窓を叩く。




「…あー!もう、わかったから!!危ねぇから体を乗り出すな!!落ちたらどうすんだよ」



イノリは渋々了承すると、コートを羽織りキヨの部屋へと飛び移った。





「イノリ、靴持ってきなよ」

「お前の父ちゃんの借りる。足のサイズ多分同じだから」




キヨとイノリは靴を履くと、カンナ達の家を訪れた。



5人は次第に積もっていく雪の上をサクサクと音を立てて歩く。




「………3月にこんな大雪。異常気象だね」

「本当よ。なんでこんなに寒いのよ」



雪が止む気配はない。


空から降る白い雪を見上げながら、転ばないように手を繋いで歩く5人。




すると雪で隠れていた用水路にケンが落ちた。



「うわああ!びっくりした―!!」

「お前の声にびっくりしたわ!!ったく、どんくせぇな…」




イノリは用水路からケンを引き上げる。