祈りのいらない世界で〜幼なじみの5人〜【実話】

「うん♪いいね。別々のアパートで暮らすより5人一緒に暮らしたいよな」


「あぁ。俺らにはプライバシーも何もないからな」


「そうね。折角同じ大学に行くんだから、一緒がいいわよね」


「5人で住んだら絶対楽しいよ」




キヨとカンナ、そしてケンとイノリはその物件を気に入った。





「カゼもここでいい?」



4人が無言のカゼを見るとカゼはゆっくり頷いた。




「………うん。俺らは家族みたいなものだからね」




センター試験で東京へ向かった5人は、帰りにその物件を見学しに行った。


都心から少し離れていて造りも古いが、庭も広く閑静な場所に建つその家を5人は気に入った。




「通学には少し不便だけど、まぁ何とかなるよね」


「大丈夫だよ、キヨ。俺、免許採ったから親に中古車買ってもらう約束したし、通学は車ですればいいよ」


「そう言えば私とカンナ以外、みんな免許採ったんだよね」




合格が決まった5人は、仲良く中古車販売店に向かい、緑のミニクーパーを購入した。


初心者の男達は大型車の運転をするのに不安を感じ、軽自動車にしたのだった。




後から車が小さすぎる事に後悔するとも知らずに。