祈りのいらない世界で〜幼なじみの5人〜【実話】

1人ぽつんと立ち尽くすケンの元にカンナがやって来た。



「ケン、あんた部活行かないの?…軽音楽部は自主練習制か」




テニス部であるカンナは持っていたラケットでケンの頭をつつく。





「ねぇ。カンナはカゼとHしたくないの?」



ケンの問い掛けにカンナは真っ赤になって、ラケットでケンのお尻を叩いた。




「バカじゃないのあんた!何を言い出すかと思ったら!!」


「いたたた…。いやさ、カゼはかなりモテるから誰かに取られちゃうかもよ?って話」


「カゼは本当に好きな子としか付き合わないわよ。それに…カゼは私達5人の関係を1番大切にしているもの。彼女どころじゃないと思う」




カンナの言うとおり、カゼはカンナと付き合うようになるまで誰とも付き合って来なかった。



カゼだけではない。


昔から好きな人が変わらないキヨ達も、誰1人として付き合った事はなかった。





「ケンはそんなにキヨを好きになったのね。でも欲求をぶつけるのはよくないわ。キヨは純粋だから引いちゃうわよ?」


「わかってはいるんだけど…女子と違って男は欲にまみれてるんだよ。現に女の子に興味ないあのカゼだって……」


「…でもイノリはそんな素振り見せないわよ。少しは見習いなさい」




カンナはそれだけ言うと部活に戻っていった。