祈りのいらない世界で〜幼なじみの5人〜【実話】

1番最初に性に芽生えたのはケンだった。


小さい頃からキヨを見つめ続けたケン。

ただ一緒にいるだけで満たされていた気持ちに、いつしか欲を感じるようになっていた。




「キヨ可愛いな〜…彼氏とか出来ちゃったらどうしよ」




ケンは授業中もずっとキヨを見つめていた。



いつの間にか胸も膨らみ、あどけなさが抜けたキヨに女性らしさを感じているケン。



あの唇に自分の唇を重ねたい
あの体に触れたい


欲望は次から次に溢れてくる。




「倉木!起きなさい!!」



その時、椅子に座ったまま眠るカゼに向かって投げられたチョークが

カゼがタイミング良く机に頭を下げた為、ケンの額に直撃した。




「いったぁ―!!何!?何っ!?」




キヨを見ていたケンは、いきなりの事に額を押さえながらキョロキョロと辺りを見渡した。

クラスメイト達は笑い出す。




「………はよ。どうしたの、ケン」



教室が騒がしくなった事に気付いたカゼは、だるそうに体を起こすと呆然とするケンを見た。


そんなカゼを見てまたクラスメイト達が笑い出す。




恥ずかしくなったケンはチラッとキヨを見ると、キヨもカンナと共に笑っていた。



ケンはよく笑うキヨが大好きだったのだ。