祈りのいらない世界で〜幼なじみの5人〜【実話】

「………はい、隠したよ。ごめんな、キヨ」


「ううん、ここにいた私が悪いから大丈夫」


「てか、カゼや俺らの裸なんて小さい頃から何度も見てんだろ?今更照れんなよ」


「昔と今じゃ違うでしょ!?」




イノリとキヨがど突きあっていると、カゼがバスタオルで頭を拭きながら2人を見つめた。




「………んで?何か用だった?」

「あぁ。ちょっと気になった事があってな」

「………うん、何?」



カゼは首を傾げる。


イノリとキヨは目を合わせると頷いた。





「お前さ、昨日女といたよな?」

「………うん、いたね」

「カゼの彼女なの?」

「………ううん、違うよ」



カゼは首を振ると、歯を磨き始めた。





「じゃあ、あの女の人誰?」



キヨの問いに答えずカゼは歯を磨き、口を濯ぐ。




「答えられないような女なのか?」



イノリがそう言うと、カゼは口を拭きながら呟いた。




「………兄貴の奥さん。俺の義理の姉さんだよ」