数日後。

2人だけになった家でカンナとカゼは話していた。




「キヨとケンも出て行っちゃったね」

「………うん。俺らの関係、終わっちゃったね」




賑やかだった家は静かな時を刻む。


5人でいた日々が嘘だったかのように。




「でもキヨは頑張ったよね。イノリがいなくなって辛かったのに…。自殺を図るほど辛かったのに頑張ったわ」



カンナは両手で頭を押さえながら俯く。


親友の苦悩を理解してあげられなかった罪悪感に駆られていた。





「………カンナ。キヨが出て行ったのは俺のせいでもある」

「え?どういう事?」




カンナはソファに頭を乗せ、天井を見つめているカゼを見た。





「………嫌がるキヨを無理矢理抱いた」

「……!なっ…何やってるのよ、カゼ!!あなたは何を…」



カンナは目頭が熱くなってきた事に気付く。


熱くなった瞳は熱を冷ますかのように次第に涙を込み上げてきた。