「…キヨ!!キヨ!!」



意識を取り戻したキヨが薄く目を開くと、涙で顔を濡らしたイノリがいた。




「…イノリ?なんでいるの……これは…夢?」




キヨが不思議そうにイノリを見つめていると、後ろにいたカンナ達が駆け寄った。




「キヨ、大丈夫?痛いところない?」

「………ケンが風呂場で倒れてるキヨを見つけたんだよ。無事で良かった」




心配そうな顔のカンナとカゼを見て少しホッとしたキヨは、泣きじゃくるケンを弱々しく手招きした。




「ケン、ありがとう。誰よりも心配してくれたでしょ?…わかるよ」



キヨは薄く微笑みながら手首に包帯の巻かれた腕で、ケンの頭をグリグリ撫でた。




「うわーん!よかったよ〜!!見つけた時は本当もう何て言うか…」



ケンは服で涙を拭きながらオイオイ泣いている。





「……イノリ…。なんでイノリまで…?」




キヨがベッドから上半身を起こしイノリを見ると、イノリはキヨを抱きしめた。