私が和泉川先輩の彼女に任命されてから、時はちょこっとだけ流れて。

早くもマネージャー業が板についてきた私は、相変わらず和泉川先輩にこき使われる日々を送っていた。
部活中は専属のマネージャーかというくらいあれこれ指図されるし、下校時には女の私が自転車を漕ぐという異様な光景が多く見受けられるようになり。
また、昼休みに売店へおつかいを頼まれるのは週4ペースである。
最早これは彼氏と彼女というより、ただの先輩と後輩、いや上司と部下、ううん飼い主と奴隷という単語が相応しい関係だ。

しかしなぜかその関係を断ち切ることなく、私が和泉川先輩に服従し続けているのかと問われれば、やはり抜群のルックスはどんな目薬より効果的であるのを確信しているから。
と言いたいところだけど、悲しきかな逃げる度胸がないのも理由の一つである。