この頃にはすっかり小説を執筆することが趣味になっていたから、これでも言葉選びは得意な方だと自負しているのだ。
別に自画自賛とかそういうわけではなくて、単純に周囲の友人らの中では自分が一番……だと良いなぁ、程度の安っぽい自信だけども。

ゆえに国語は得意教科だったりする。
ただし漢字の書きは壊滅的に等しい。
そしてその他の教科もまた、どれも下位の中くらいの成績しかとれなかった。


「愛生ちゃーん、今月の月刊ティアラもう読んだ?」
「もっちろん!発売日の朝に書店に駆けつけて買ったよ!数量限定でついてきたポーチも早速活用している私に抜かりはないね!」
「おおー!さすが愛生ちゃん!」
「ふふふ、メルヘンガールを侮っちゃいけないよ~」


所謂厨二病に準ずるものはあったのかもしれないけど、私は自分のような女子をメルヘンガールと称していた。
そんな私を可哀想なものを見るような目で見てくる人が時折いたけど、まったく気にならなかった。
恥ずかしいわけがない。寧ろ誇りに思っても良いくらいだ。
だって女の子はみんな、この世に生まれた時から誰かのお姫様なのだから。

やはりこれは揺るぎない名言だと鼻高々になっていたのが、まさに厨二病をこじらせていた中学二年生の頃だっただろうか。
これぞ黒歴史ならぬ桃色歴史だ。