塚田に玄関まで送ってもらい、俺は今度こそ帰路につくことにした。
その前に振り返り、愛生の部屋を見上げる。
締め切ったカーテンの向こう側で愛生は何を思っているのだろうか。


「……ったくよぉ。世話の焼ける奴だなほんと」


だがいつまでも塞ぎ込むような奴じゃないってことは、半年以上の付き合いで俺もよくわかっている。
きっとそのうちなんてことない顔で学校に来て、また運命の王子様がどうとか言ってるお前に会えるはずなんだ。

そうだろ?愛生。