「すみません、こんな話してしまって、和泉川さんも困るっすよね。けどオレ、和泉川さんが悪いとは思ってないっすから」
「俺も自分に非があるとは思ってねーよ」
「はは、ですよね」


ただ、これから愛生がどう俺に接してくるか、逆に俺も愛生にどう接するべきか、それが気掛かりだな。
そこは間違えずに慎重にやらなければいけない。
こんな深刻な状況を悪化させるなんて許されたことじゃないしな。

俺はゆっくりと腰をあげて、窓の外に広がる快晴の空を見据えた。
この時期にしては珍しく雲ひとつない。
こんな空模様みたいに、愛生の気持ちも晴れたくれたら良いのだが。


「過去に俺を救ってくれた愛生を今度は俺が救ってやる番なのかもしれないな」
「救ってくれたって、なんかあったんすか」
「こっちの話だよ。話してくれてありがとな。じゃ」