とは言え、働き者の萌花先輩が抜けたら人手不足になるのは目に見えていたから、私が部活動を継続させることは想定内だった。
幸いよもぎちゃんという親しいクラスメイトもいるし、軽い運動にもなるし。
運動部のマネージャーなんて青春の1ページを綴るには悪い条件ではないと考え、結局首を縦に振った私。

しかし香坂先生の脅迫染みた言い分には、未だに腑に落ちないものがあった。
妖精のように愛らしいルックスから、一部でピクシーといあだ名で呼ばれているらしいけど、どっちかっていうとメデューサの方が適切な例えだと異論を唱えたい。

香坂先生に無言の圧力かけられた者は、蛇に睨まれた蛙のようになってしまうのだ。
それはメデューサの瞳に捕らわれた者が、石化してしまう現象によく似ている。