笑いあり涙あり下ネタありで、ハプニングも多数発生した強化合宿が終わり、翌週に行われた大会では早いうちに強豪校と当たってしまったため、優勝どころか大した成績さえも残せなかった我が校のバスケ部。
しかしベストは尽くしたから悔いはないと言い張る三年生を見送るべく、食べ放題バイキングでお疲れ会を済ませた私は、和泉川先輩の引退に応じてマネージャーを辞めるつもりではいたのだけれど。
案の定、顧問の香坂先生から呼び止めの声を掛けられた。


「乙桐さん、この前の数学赤点だったわよね。にも関わらず授業には平気で遅刻したこともあったけれど、一体何がお望みなのかしら?」


バスケ部に残ってこれからもマネージャーとして熱心に働いてくれるのならば、少しくらい大目に見てあげないこともないのよ?
後に続くセリフは、おおかたこんなもんだと予測できる。