えっ、えっ?なに?私に用!?ここで急展開がくるの!?
もしかしなくても私の運命の王子様は舞鶴さんで、彼は姫君である私を早速迎えに……!?
ついに運命の歯車が動き出す時がきたのね!

すっかり妄想モードの私は一人でハイテンションになっていた。
が、その期待は予期せぬ形で裏切られる。


「久しぶりだね和泉川くん」


なんと舞鶴さんが声をかけたのは、私の横に立つ和泉川先輩だったのだ。

久しぶり……って、この二人面識あったんだ。
小学校や中学校が同じだったとかかな?
それにしては和泉川先輩のリアクションが薄いような。


「誰だお前」


やや俯きがちだった顔を上げて、正面に立つ舞鶴さんに放った一言がこれだもん。どうりで気付かないわけだ。
しかしこれはどういうことだろう。舞鶴さんの勘違い?