「部長を務めている舞鶴(まいづる)と申します。二日間という短い時間ではありますが、至らぬ箇所も多い我が部とお付き合いしていただければ幸いです。何卒宜しくお願い致します」


お辞儀をした眼鏡イケメンの爽やかスマイルや丁寧な振る舞いは、一流サラリーマンの営業を彷彿させる。
大樹先輩とは違った方向で部長らしい方だ。

そうそう、私の理想の王子様ってこういう人当たりの良い男性を差すんだよ。
和泉川先輩のような血も涙もないゲス男は、どんなにかっこよくても悪役がお似合いだ。

隣に立つ和泉川先輩と舞鶴さんを、交互に見比べながら納得する。
そしたら大樹先輩と握手を交わした舞鶴さんが、こちらに近付いてきたことにハッとさせられた。