藤崎先輩がふっ、と微笑む。



「お前って、チビだな」



「そうなんですよー!チビで悩んでる…って、急になんですかぁ!?」



藤崎先輩があたしのことをチビ呼ばわりした。



チビって…チビって…


「そりゃぁ、身長180㎝以上の先輩から見たらあたしなんかチビかもだけど!そんなにハッキリ言わなくてもいいじゃないですか!!!!!」



藤崎先輩がめっちゃビックリしてる。
まぁ、後輩の女子にいきなり怒鳴られたらそうなるか…



「わ、悪かったな…気にしてたのか?」



藤崎先輩がボソッとつぶやく。



反省してるのかな?



「……………いえ……。逆にこの身長に誇りを持って生きようと思いました」



テンパッて意味不明なことを口走るあたし。



「そっか。俺、小さい女子も可愛いと思うけどな」



俺、小さい女子も可愛いと思うけどな、ですって?

可愛いと思うけどな????



「……かかかかか可愛いと思うけどな?ですか?!」



「え、あぁ。うん」



きっと、先輩はこの言葉に深い意味はないんだろうけど、あたし期待しちゃいますよ?


『可愛いと思うけどな』



あたしの頭の中でこだました。