「あたし、これから仕事だから。…じゃ」


母親はそう言い残して、出ていった。

残ったのは、あたしの大っ嫌いなキツい香水の匂いだけ…。



小さい頃から、母親に心配された覚えなんてない。

でも陸久は、こんなあたしを心配してくれた…。

今改めて思って、うれしくなったんだ。