「じゃあ、デートに行こうか。

あの丘の上の遊園地に
一度行ってみたかったんだよね」

騒然とする周囲にも
春香は落ち着いた声。


「大人しく投降しろ!

そうすればこちらも手荒なことはしない!」

周りを取り囲んだ
警官はじりじりと捕縛の輪を
縮めて行く。


「これ以上近寄らないで」


春香は冷静な声で警官に告げる。


その声は澄んでいて
遠くにまで響き渡るようだ。