ケータイ小説 野いちご

crystal love

 

「じゃあ、今晩は、
皆で夕飯を食べましょう。」

母が嬉しそうに言う。

「わかったわ。手伝うわね。」

着替えて来ると言い置き、
部屋にもどろうとする私に
母は、ジェイドも呼んでくる
様にいった。


コートをクローゼットにしまい
彼の部屋をノックする。

中から声がして、ドアが開いた。

「あれ?何かしてた?
母が呼ぶよういってたから
来たんだけど・・・。」

「直ぐに降りるよ。」

「そう。荷造り終った?」

「ああ・・・いま、やってる。」

何となく、いつもと違う彼に
気づかない振りをして
階段の中段で振り返り告げる。

「忘れ物、しないようにね。」

そう告げれば、
ちょっと眼差しを揺らして
ジェイドは口を開いた。

「なあ。ディオナ。
後で、ちょっと付き合って。」

「?どこか出掛けるの?」

いつもの強引さがなくて
若干戸惑う。

「そう。」

短い返事だけを残し、
彼は扉を閉めてしまった。

いいけどね。
郵便局に行くついでもあるし。

再び、キッチンに向かうため
階段を降りはじめた。

 

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