「ほら~、拓真にも買ってきたんだよ」
レジ袋を引っさげ、拓真の家へと上がる。
いつ見ても広い家だなぁ~、とつくづく感心する。
「何これ」
緑色のマグカップをじーっと見つめながら言う。
「俺は紫だもんね」
マグカップを取りだす。
「でもこれ、割れたら切ないね」
眉を下げている拓真。
「だから割れないよーに、大事に扱ってね」
修学旅行でも持ってきてね、と加えて。
「頼はなんで黒なの?」
「なんでだろ、」
黒って、何かの色と交わると必ず相手の色が汚れちゃう。
でも、たまに交わっても美しい色になれる色がある。
いっつも一歩引いてる感じで、交わったら死にそう・・・みたいな。
「・・・意味わかんない」
「蒼以って、たまぁに変なこと言うよな」
「この間なんか、鳩と追いかけっこしてたからね」
「そんで、小石に突っ込んでうぎゃーって泣き出して」
「あのとき、ぱんつまるみ、「お前ら黙れや」
こいつらは何を言い出すか・・・。

「・・・暴力女」
「くたばっちまえ」
ガラス製のマグカップで頭を殴ってやった。
拓真まで人のこと・・・。
危うく水玉パンツだってバレるとこだったよ・・・。
「ちなみに!蒼以ちゃんのぱんつは水玉でした~」
へへ~ん、と言う拓真。
もう一発、くらわないと分かんないかこいつは。

その後、鈍い音が響き、拓真の悲鳴があがったのはここだけの話である。