「今振り返っていると、超ギャグだ」
「だな」
と言って空を見上げる。
この話にはまだ少し続きがある。

でも、今は振り返りたくない過去になってしまった。

「まぁ、誰にだって過去はある」
「でも、いつかは白黒つけなきゃいけない日が来る」
「・・・分かってる」
少しの沈黙が続く。
下を見てみると、まだみんな寝ている。
ここ、学校なのに・・・。
「青い空だなー」
「え?蒼井そら?」
「は?何言ってんの?青い空!青空だねーってこと」
ふふ、と笑うと、頼も笑った。
こういう瞬間が、あたしはとても好き。

「蒼以は、『あお』だから青色が似合うな」
「何それ」
「旬斗は黄色」
「ぽいぽい」
「拓真は金色」
「お金持ちだからでしょ」
「そう」
「じゃ、歩は緑。和也は紫!頼は・・・黒」
真っ黒、と付け足して言った。
なんでだよ、と返されてしまうけど。
「分かんない」
「何じゃそりゃ」と言いながらも笑ってる。

「あたしは、青かー」
「いいじゃん」
「そうだね」
時間も忘れて話していたら、下から何気なく声がした。
「おーい、何してんのー」
眠そうに体を起こす和也と、声をかけたのは旬斗。
「行こっか」

そう言って、下へ降りた。