ケータイ小説 野いちご

月と太陽の事件簿14/隙間女の視線

あ、それでも最初はね、部屋の中じゃなくて窓を見たんですよ。

もしかしたら外から誰かのぞいてやしないかってね。

でも誰もいませんでした。当然ですよね、ここ2階なんですから。

それで今度は玄関に向かいました。

ドアの覗き穴から誰か見てるんじゃないかと思ったんです。

でもドアの外には誰もいませんでした。

ついでに台所も見て回りました。

戸棚の中にガスレンジの下、冷蔵庫の裏…。

え?

なんでそんなとこを見たのかって?

だってパッと見たところには誰もいないんですもの。

だったら狭いところをのぞくしかないじゃないですか。

そんな風に台所を見て回って、次にこの居間に来ました。

ここは見ての通り、色んなものが置いてありますから、大変でした。

タンスの裏や衣装ケースの間など、あちこち見て回りましたよ。

…そうです、あたしを見てる『誰か』は隙間にいる。

いつの間にか、そう思うようになってました。


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