屋上に上がると、4月に相応しい陽気だった。
「なんかプチピクニックみたい」
「あ、それあたしも思った」
持ってきたレジャーシートを広げみんなが座れるようにする。
「レジャーシート?」
「そう、中学からこれ使ってんの。割り勘で買ってさ」
ちょっと端っことかが解れてるけど・・・。
「そうなんだ~。仲良いんだね」
「腐れ縁ってとこかな」
笑っていると、階段を上がってくる足音がした。

「やっほっほーい!飯だぞーい」
ドアが開き、ぞろぞろと男共が入ってくる。
「やっほー、・・・・ってあれ?」
なんか人数が増えてると思ったら、一人追加されている。
「旬斗」
その声にお弁当を広げていた歩が勢い良く顔を上げた。
「あんたなんで居んの?」
「え、なんでって腹減ったから」
「ちゃんと授業出てたんだ!偉い」
同じ中学だった五月旬斗。頼や和也、拓真とは違い、普通の男子高生って感じ。

「五月くんだ・・・」
なんとも愛を含んだ声に耳を傾けるとあたしの隣で目が旬斗に釘づけになってる歩。
「え?歩って旬斗みたいなのタイプなの?」
あたしの声も届かず目は旬斗に向けられてる。

「ちょ、歩!あーゆーみー!」
やっと我に返って、あたしを見る歩。
「え?何、蒼以」
「歩、旬斗のことガン見してたよ」
その一言に顔がどんどん赤くなっていく歩。
「へぇ、歩って旬斗みたいなん好きなんだ」
ふふ、と不敵に笑ってみせる。