「アナタはまだ高校生でしょ。そんな色恋沙汰じゃなく勉学に専念しなさいよ」


「じゃあ高校を卒業したら、俺を男として見てくれるの?」



それも微妙だよね。


元教え子と付き合ってるなんて

やっぱり変だよ。





「…見ないわ」


「美羽」




低い声で名前を呼ばれ、心臓がドクンと脈を打つ。





「もう、引き返せないよ」



そう言って深く口づけて来た成宮くん。


強引で自分勝手なキスなのに


あまりに甘くて優しいキスに、腰が砕けそうになる。




抵抗したいのに体が言うことを聞かない。





どれくらいそうしていたのか

息が苦しくなって彼の肩を叩くと、やっと唇を解放してもらえた。





「俺を好きになるおまじない」




呪いと書いておまじない。




私は、本当に呪いをかけられたかのように


その日から成宮 理人のことで頭がいっぱいになってしまうのだった。