「え? ああ、涼」


「彼氏か?」


「まさか。会社の上司に送ってもらったのよ」


「ふ〜ん。若そうだったけど、BMWなんか乗ってんだ……」


「何それ?」


「知らないのかよ? ドイツの高級車さ。金持ちなんだな……」


そうなんだ……。そう言えば、乗り心地が良かったかも。


「今日もコンビニに行くのか?」


「行くわよ。どうして?」


「大丈夫か? 姉貴の体が心配なんだよ」


「平気よ。涼だって焼肉屋さんのバイト、頑張ってるじゃない? みんなで頑張らないとね?」


「俺が大学を出たら、姉貴にはうんと楽させてやるからな?」


「はいはい、期待してるわね」