先生によると、骨が繋がってもすぐには歩けないからリバビリをしなきゃいけない。





早く治さなくちゃ。





早く怪我を治して、また紗衣を抱っこしてあげるの。





2人で色んなところに遊び行くの。





コンコンと扉をノックする音が聞こえ、みんな扉に顔を向ける。





「失礼します。紗衣ちゃんの担当医の加地です。」





手術着のままの先生に胸の鼓動が早くなる。





「紗衣ちゃんは両腕両足を骨折、臓器の圧迫や破裂がありましたが一命は取り止めました。」


「先生……紗衣は……。」


「ですが、意識はまだ戻りません。」





意識が…………戻らない?





「先生…紗衣は、生きてるんですよね…?」


「はい。ただ意識は戻らず眠り続けています。」


「意識は戻りますか……?」


「いつ戻るかはわかりません。」





先生の言葉に、私は地獄に突き落とされた。