「大雅ぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁ!!!!!!」





私は、大雅の胸に飛び込んでしまった。



もちろん大雅は抱きしめてくれるわけもなく。





「あほか、ボケ!」



私の頭を叩く。





「ま、そ~ゆ~わけなんで。コイツは俺がもらいますんで」



大雅は、ポカーンとしたコーチに向かって生意気な顔して言う。





「すいません。コーチ…… すいません。ほんまに」




コーチは、ええよええよ!って笑って、車に乗って行った。






私、初めて男の人をフッた。






「杏奈、お前はほんまにあほやな。俺が来んかったら、アイツについていっとったんやろ。ほんまあほやな、お前は」




「だって。だって…… 大雅が悪いねんで。私が必死で書いた手紙をあんなことして」






私は大雅の鍛えられた腹筋をポコポコと叩いた。







「は?何それ?」




「何って、ラブレターやん!!! 話したいことあるから美術室来てって手紙、靴箱に入れたのに!!!」




「入ってへんかったで」



「嘘や!!入れたで。城之崎大雅っていうシール貼ってある靴箱に」