「こっちのが大事。」



優しく微笑んで、口元についた髪を指先で撫でる。



「比奈ってなんかほっとけなくなる。なんでだろ?」


そう言って



「好きだから気になっちゃうんだよね。」



サラっと恥ずかしい言葉を平気で口にする。



逆に私が耳まで真っ赤になってしまった。



「イズミ先輩……ストレートすぎます。」


「ははっ!知ってる。」



私が黙ってるとイズミ君もそれ以上喋りかけてくる事もせず、沈黙がしばらく流れた。



そんな空間でも私には全然、苦にはならなくて……



今までにこんな男性がいただろうか?


あいつと幼なじみって事で恋愛もなかなか進展しなかった。



イズミ君なら………



私の感情は少しずつ傾いているようだった。