抵抗する手を咎めるように、ユゼは私の両手を片手で押さえ付けると、そのまま、頬を流れる涙に唇を寄せた。

何一つ残さず食べてしまうかのように。


「……ゆ、ぜ」


何を言っても無駄なのだろうか。

私は、贄としか映っていないのだろうか。


哀しくて堪らない。


これが、黒刺の望んだことだと言うのなら、今すぐあの男の頬を思いっきり叩いてやりたかった。



ユゼは表情をなくしたまま、私の手首を掴んでいた手を離す。

好き勝手に体を這っていた別の手が降りていき、おもむろにスカートをたくしあげた。

必死で首を振る私へユゼは視線を向けさえしなかった。

ただ淡々と行為を続けている。

容赦なく事は進んでいった。


「……い…や…」


閉じたふとももに尖った爪があたり、私は息を飲んだ。








ユゼが強引に押し入ってくる。

私は痛みで、堪えきれずか細い悲鳴をあげた。






現実から逃れるように意識が遠退いていき、

世界が暗転する。