真っ直ぐに、早苗の目を見た。

早苗の瞳は、怒りでメラメラと燃えていた。

こんな風に向き合ったのは、初めてかもしれない。

先に目を逸らしたのは、私の方だった。

フイッっと横を向いて、

「帰ってよ」

とだけ短く言う。

そのまま、ベッドに潜り込もうとした私の肩を、つかんだ早苗。

ゆっくりと振り向いた私の目に、早苗の手の平が飛び込んで来た。

バシン。

左頬に、ありえない激痛が走る。