ケータイ小説 野いちご

ぼくの 妹 姫




あの頃、


ぼくは早く 大人になりたかった



大人になって



蕾と二人で暮らすのが



ぼくの夢だった



つらい生活から
蕾を救い出すんだと思ってた



だけど



あの夜



ぼくが両親を殺した夜



蕾の小さな手を握りしめて



感じたことは



蕾のために大人になりたかった訳ではないんだ



救い出して欲しかったのは



逃げ出したかったのは



蕾では なく



ぼく自身だったのかも知れないと




異常な生活から



悪夢から



逃げ出したかったのは



本当は




ぼくだった






あの夜から


まだ夜明けが来ない


ぼくたちは まだ


あの夜にいる


夜から抜け出せないまま


立ち尽くしてる





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