紅さんに案内され宮殿に足を運ぶと、歳は同じくらいの賢そうな人が一人 好奇心旺盛な感じの人が一人お出迎え。

 「紅様お帰りなさいませ」

 「こちらのお嬢様は?」

 「彼女は八重様、これからお国を守られる方よ 丁重なおもてなしをお願い」

 「「かしこまりました」」

 「八重様、それではいずれまた。」

 「あの…?」

 「貴女の事は、全て彼女達に任せるわ」
 
 そういうなり彼女の姿は、もう宮殿にはなかった

 「さぁ、八重様 そのような一般庶民のようなお召し物では皆に示しがつきません こちらにお着替えお願い致します。あ、わたくしは雛(ヒナ)と申します」

 と少し賢そうな人

 「こんなに華やかなのに?」

 「何を仰いますの、貴女は帝様の相手をお務めなさるのでしょ?」

 「あの、帝様って?」

 「紅様からまだお聞きになっておりませんか?」

 「…はい」

 相手を務めるって…何?

 「龍(リュウ)様とは、このお国を治めている方よ。わたくしは、華(ハナ)と申します」

 「龍…様?」

 「帝様のお名前です お国の頭主であるのに、隠りっきりになられて…」

 「華、少し控えなさい」

 「あ、八重様今の話忘れてくださいな」

 忘れるって…無理よ

 なんだか、とんでもない処へ迷い込んでしまったようね

 昨日、璃花とふざけてたのが昔の様だわ

 私、どうなるのかしら?

 「心配はいりませんわ♪教養などは私達にお任せ下さい。」

 私の心の内を見透かすかのように、華さんが言ってきた。

 「華、あなただから心配なのよ」

 「雛姉様、酷いですわ」

 「八重様、わたくし共が貴女の身の回りのお世話を致します、今後はお気軽に用を申し付けください」

 「はい」

 二人は、話ながらあっという間に私をきらびやかな着物を何枚も重ねた

 十二単衣っていうのかしら?

 鏡に写る自分は着物に着られている

 そんな感じがする

 馬子にも衣装ってきっと私みたいな事をいうのね