「おはよう☆」

 「あ、はよっ あれからちゃんと勉強できた?」

 「それは…。ところで八重、その梅ミサンガどうやって作ったの?」

 「えっと…」

 気が付いたら手に付いてたからなぁ

 「私も作りたいなぁ」

 「私も作り方は解らないんだ、ごめん」

 「……?」

 「えっとね、信じてもらえないかもしれないけど隣町の大きな梅の木知ってる?」

 「うん、あそこの梅綺麗だよね♪」

 「うん、私元気を分けてもらいたい時とかよくそこに行くの で、昨日も行って気が付いたら転寝しちゃって…いつの間にか付いてたみたい先に気が付いたのは彩希なんだけどね」

 「いいなぁ、私も転寝してみようかな(笑)」

 「……(笑)」

 春の穏やかな風が私達の周りを取り囲む

 

 それから、一週間の時がすぎ学院最後の期末試験
 
 試験は楽々クリア☆

 璃花は、とりあえず赤点は免れたみたい

 後は、卒業の日までのんびり過ごすだけ♪

 あれから、何度か梅の木の傍を通るけど、何もない。

 幻のような気もするけど、腕に付けられた紅梅の輪は枯れる事ない



 晴天に恵まれ、笑顔溢れる卒業式に

 泣いている娘も中には居た

 私は、悲しいというよりこの学院生活に満足が出来たから笑顔いっぱい。

 「いい旅行日和だね♪」

 「璃花、気が早いよ まだ、学校終わってないよ」

 「終わったも同じだよ 今日、この式典が終われば私達は自由の身なんだから」

 「これからは社会人になるんだね」

 社会人になる前にもう一つ物語が待っているなんて誰が思うかしら?



 「忘れ物ない?」

 「大丈夫よ」

 「気をつけてね」

 「彩希、心配しすぎ」

 「そうよね、もう春から社会人になるんだものね いってらっしゃい」

 私達は、学校が終わるなり駅に待ち合わせ出発。



 「京都って、何が名物かなぁ?」

 「鱧(ハモ)は勇名だよね 後は…」

 電車の中で私達は、これから行く旅の話で盛り上がる