スーパーのホワイトデー売り場をうろうろしながら、まずは息子に電話してみようと思った。




息子夫婦に苦労はかけたくないから、私から連絡することは滅多にない。



『どしたん?おやじ』



元気そうな息子の声聞いて、ほっとした。




「あんな・・・笑わんと聞いて欲しいんやけど、もしも私が再婚するって言ったらどうする?」





何を言うとるんや。

再婚なんかありえへんのに。




息子はえらい機嫌良く答えてくれた。



『おやじにそういう人おるんやったら、大賛成や』



そうか。

そうなんか。



「俊おるか?」





孫の俊は、私に似てなかなかの色男やからチョコもいっぱいもらっとるやろう。



バカにされへんかドキドキしながら聞いてみた。




「俊は、バレンタインとかいっぱいもらうんか?」



久しぶりの電話で何言い出すんって俊は笑った。