「あ、あのっ……」

「なに?」

「いや、えっと……」

そっと頬に触れれば、カアァァっと赤くなる恋々愛。

やっと、ちゃんと触れられた。

何年ぶりだろう……。

俺は存在を確かめるように、頬に添えた手をスリスリと動かす。

「んっ……ゆ、らくん……」

柔らかい、温かい、可愛い……。

あの頃と何も変わらない。

「く、くすぐったいよ」

困ったように眉を寄せながら笑う恋々愛。

その姿がまた愛おしくて。

……だけど、言いたくてたまらないこの気持ちはまだ言えないから。


「恋々愛、可愛い」


この言葉に変換する。

この気持ちは、いつになったら伝えられるのかな──────────