(……ぶっ飛ばす…?)


「やだなー氷雨、第一声がソレ?」

「…よくもまぁ長々と俺を待たせやがったな」

「シイだったら何だかんだで許すくせにー」

「…ぶっ飛ばす」

「何回ぶっ飛んでも足りないねぇボク」



間髪入れず聞こえてきたのは、渋くて低い大人の声。

…あの飲食店でマッシュと一緒だったマスクの彼。名は氷雨さん。



「そんなことより氷雨、ブレスレットの子連れてきたヨ」

「…チッ」

「シュリ―、おいで」



――…彼は座っていてわたしは立っていて、確かに見上げられているのに、高圧的に見下ろされているような。

…交わった視線を先に逸らしたら命は無いと思った。それくらい、圧にまみれた人だった。




「…真柊、シュリ―って何だ」

「この子のあだ名。ボクのことはマッシュって呼んでくれてるの」

「……チッ」

「すーぐ舌打ちするんだから「真柊」

「なあに?」



「お前、あいつに殺されたいのか」