「……仁葵ちゃん。俺ね」


君に秘密にしていることがたくさんあるんだ。

それを知ったら、君は俺を嫌いになる……?


「……仁葵ちゃん、良い匂い」

「あっ。ちょ、ちょっと狼くんっ」

「食べちゃいたくなるなあ」


彼女のうなじに顔をうずめる。
匂いをかいで、さりげなくキスをした。

びくりと跳ねた身体を、逃げられないようさらに強く抱きしめる。


(君のことが、大好きなんだ)


「……今日も一緒に寝ようね」

「えっ! わ、わたしソファーで寝るよ」

「それはダメー」


(明日も明後日も、ずっと俺と一緒にいてよ)


最高に居心地の良い鳥籠にするから、だからずっとこの中で、俺とふたりきりで――






番外編END