「ぐはっ!」


少しして、圭子が血を吹き出した。


『どうして!?』という驚愕の表情で、死り神を見下ろしている。


やや小柄な死り神は、圭子のお腹に突き刺さった鎌を引き抜く。


「圭子!」


その場に崩れ落ちる圭子に駆け寄ろうとしたけど、足元がグラリと揺れた。


現実世界に戻ってしまう。


戻ってしまえば、圭子が死ぬ。


死んでしまう!


けれど、どうすることもできずに__私はただ手を伸ばした。


倒れて痙攣している圭子に、手を伸ばしたんだ__。












__そこは学校の図書室だった。


度重なる事件で休校になり、開放されている図書室で圭子と2人、ゲームを乗り越えようと誓い合ったんだ。


それなのに圭子は…。


「ゆ、祐美」


向かいに座っていた圭子が、震えた声で呟く。


ガタン!と、皆んなが振り向くくらいの音をさせて椅子を倒す。


立ち上がったその顔は、苦しみに歪んでいた。


お腹を押さえながら__。


「…圭子」


再び手を伸ばして、倒れゆく圭子を支えようとしたけど…。


その体に触れる前に、圭子は倒れてしまった。


私は2度、友人を失ったんだ。