まさか、いきなり失格なの!?


しかし愛海は突然、ピタリと止まった。


「愛海、どうしたんだよ?」


彼氏の良一が尋ねると「ふふっ」と笑い出す。


「諦めて頭おかしくなったんじゃない?」


圭子が面白そうに私に耳打ちするが、どうやらそうではないようだ。


「しりとりの【り】っていえば、一つしかなくない?」


にんまり笑いながら、愛海がもったいぶる。


確かに【り】で始まる、1番に浮かんでくるものは一つしかない。


でも、そんなものこの学校には__?


「じゃーん!」


愛海がカバンから取り出したものは、真っ赤な…。


「りんごー!」


『クリアです!』


アナウンスの声が聞こえてきた。


「やったねー!」


「でも愛海、よくリンゴなんて持ってたな?」


良一の疑問に「だって、りんご飴つくるから」と当たり前のように答える。


「りんご飴、家庭科実習で作るの明後日だよ」


圭子が小馬鹿にしたように言った。


「別にいいの!腐っても、どうせ食べるの良一なんだから」


「なんだよそれ!」


「はい、次、良一の番!」