誰も__居ない?


『順番はそれぞれのスマホに表示されます!』


今、この瞬間も女がマイクを通じて喋っているのに?


「お前たちじゃ…ないのか?」


私たちが驚いているからだろう、先生も首を傾げてスピーカーを振り返る。


これは、夢かもしれない。


そうだ、そう思うと受け入れることができる。


随分とリアルな夢だけれど。


「あっ、愛海がいっちばーん!」


愛海が突き出すスマホの画面には、大きく『1』と出ていた。


「俺、2番だ」と良一が画面を見せるので、流れで残りの私たちも画面を見せ合った。


いまだに納得していない様子の村井先生が『3』で、その次が圭子、祐希が『5』で、ラストが私だった。


祐くんの後か…。


できれば、続いていないほうが良かったけど。


「みんなで力を合わせてクリアしよー!」


1人で張り切っている愛海が、拳を握りしめている。


「やんないと元に戻らないみたいだしね」


渋々といった様子の圭子。


ここにずっと閉じ込められたままじゃ、たまったものじゃない。


クリアすれば元に戻るはず。


それにただの『しりとり』だ。


いくら学校内のものに限ったとしても、それほど難しくはないだろう。


この時の私は、そう軽く考えていたんだ…。