「ふたりはそういえば同期だったな。それなら仕事もやりやすいだろうし、うちの芹澤を頼むよ」

「芹澤のことは信頼してるんでこちらこそどうぞよろしくお願いします」

私の前で繰り広げられる部長と笹原の会話に意味が分からず、私は首を傾げる。

「笹原をリーダーとした新プロジェクトのチームメンバーにうちの部署から君が選ばれたんだよ」

「え?」

次の瞬間、部長からまさかの言葉が降ってきて一瞬固まってしまった。

「そういうことだからよろしくな」

差し出された手に反射的に手を出せば、ガッチリと握手を交わすことになり、戸惑う私の目の前で笹原がニコリと笑った。