ケータイ小説 野いちご

氷点下できみを焦がしたい




お風呂場から出たら、永遠くんはもう電話を終えてリビングに戻っていた。


「スウェット、ありがとう」


畳んだスウェットを返したら、ああ、って返事が返って来た。



「お前、もう帰れる?」

「え、うん」


窓の外を見たらゲリラ豪雨は過ぎ去ったみたいで、綺麗に晴れた空が広がっていた。


「じゃあ俺も出掛けるから駅まで行くか」



そう言って立ち上がる永遠くん。

駅まで一緒に帰れるのが嬉しい反面、分かってしまう。


……大切な子に、会いに行くのかなって。



駅に向かうまでの間、ふたりで他愛のない話をして。まあ主に私のどうでもいい話に適当に相槌を打ってくれてるだけなんだけれど。


その時間が大切で、愛おしくて。


反対側のホームに向かう永遠くんの背中を、一度も振り返らない彼の背中を、私はしばらく見つめていた。




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