私はそのどれにも答えられずに、へらへら笑うしかない。


だって、それに答えるには永遠くんが腹黒くて氷点下な二重人格王子だってことを菜乃ちゃんに教えなくちゃいけないし。

そうしたらなんか、永遠くんにキレられそうな気がするし。

友達だから、菜乃ちゃんはもしかしたら私のいうことを信じてくれるかもしれないけどさ。

でもあの暗黒王子なら、私の存在ごとこの学校から消されてもおかしくない。いや、おかしいけど。


永遠くんのギャップを見過ぎて、そのくらいのことされてももう驚かない域まできてしまっている。

永遠くんの余計な怒りを買うくらいなら黙っていようと思ったのだ。


…本当にそれだけで。


本当の永遠くんを知ってる女の子が私だけでいたいなんて。その特別感を手放したくないなんて。

そんなバカみたいな理由じゃないよ。
うん、全然違う。