それでも


「俺のこと好き?」


なんて馬鹿みたいな質問をすれば

素直に頷くひなたが愛しくて

自分がゲームなんて最低なもんぶら下げて近づいたことを何度も後悔して


でも


「私、前向きなので過去のことはあんまり気にしないんです」


…まただ


ひなたの言葉が俺を変える



お前は強いよ、びっくりするくらい強い


誰になんと言われようが、俺に突き放されようが


一度も曲がらなかった


真っ直ぐに伸びる直線のように


曲がりまくりの俺とは真反対


言わなきゃ


好き、よりも

もっと先にちゃんと言わなきゃいけないこと



「ごめん」


お前の気持ちを踏みにじってごめん

突き放してごめん

いつでも真っ直ぐにぶつかってきてくれたのに一つも受け止めてやれなくてごめん

ゲームなんてクソみたいなこと目的に軽率に近づいてごめん


それから…

こんな最低なことしたくせに

多分もう逃してあげられない…ごめん



「ゲームとか適当な気持ちで告ったりなんかして…面白半分でひなたのそばにいたこと…結構後悔してる」


まさかこんな気持ちを知る日が来るなんて思いもしなかった


ゲームが好きでただ楽しめればいい

今までにない新しいタイプだから面白そう

そんな考えで付き合ってきた


だけど今は


「今は…違いますか?」


今は

「違うよ」


ゲームなんかじゃ嫌だ


ひなたは俺の彼女なんだ


「だったら…許します」


ふわりと笑う



『許します』


…その言葉で、俺がついさっきまで背負っていた重い過去や後悔がスッと軽くなった気がした


そりゃ消えたわけではないけど



…ただひなたの言葉が、声が


いつも俺の中の何かを変える