翌日


なんか雲行きが怪しいなぁ


傘持ってきてるからいいけど


駅から出て、多岐くんに教わった通学路で学校へ行く


この道はあんまり人がいない


多岐くんルートだからかな



6月、もうすっかり夏の気温になっている


少し汗ばみながらも学校へつく



私はいつも登校が早い方!


あんまり人がいない校庭を歩く


さわさわとぬるい風が吹く


肩までの髪が少し暑苦しい


そろそろ結ぼうかな



多岐くんってどのくらいに学校に来るんだろ

早いかな…

んー遅そう



連絡先、いつ聞こうかな


なんて聞けばいいんだろう


いや…迷うことないか!


だって彼女だし!

だって彼女だし!(大事なことなので2回言います)


連絡先交換しようって言えばいいんだ!


早く来ないかなーっ


ワクワクしながら下駄箱で靴を変える



「あ」


…ん?


聞き慣れない声


あれは


私と同じ下駄箱の一角でこっちをみていた男の子と目が合う


えっと…?誰だ?


男の子はパッと目を逸らすといそいそと靴を変え始めた


……



あ!


「多岐くんの!」


ピタッと動きが止まった


多岐くんのお友達だ!


昨日教室にいた人


「ぁ…ぉぅ…」


声ちっさ


いや、私が大きいのかもしれない


「おはようございます!」


まあ声をかけてしまったので挨拶ぐらいはしておこうと軽く頭を下げた


「…うん」


あ、そうだ!せっかくだから聞いてみよう


「多岐くんっていつもどれくらいの時間に来ますか?」


「え?」


「学校」


私の返しに少し眉間にシワを寄せた


「あー…結構ギリ」


ギリ、ギリギリか!


「そうですか!ありがとうございます!」



じゃあ朝は難しそうだなあ