「この前の体育の時、里香ちゃん走るの速かったねぇ。」

『…そう?』


しみじみ、と言った感じで言われる言葉に返事を返す。

「うん!!私自身そんなに走るの遅くないとは思ってたから負けるとは思ってはいたけどね、実際里香ちゃんと一緒に走ったら凄い大差つけられてびっくりしたよ!?!?!!」

『いやそんなに驚いた?』


そう、千歩は遅くなかった。多分早かったとは思う。だけど結構差が着いていたらしい。私自身はそこまで速くはなかったと思うけど。

希望さんの言う通り体訛ってたから。Kにいた頃はみんなもっと早かった。

特に【あの人】なんてお前は列車か?新幹線なのか?人間はそんなに早いスピードで走れます?チートですか?みたいなスピードで走ってたから追いつくのに必死でもがくように体を動かして鍛えた。


そして分かったことは1つ。Kの皆は身体力が異常だし、その中でも【あの人】はやはり圧倒的にチートだった。


だけど遅れていたら待ってくれるから。みんな。だからわざわざ私のために待たせるわけにはいけない、となったのだけどね。



「タイム何秒だった?」

『6秒代後半。』

「いや、速くね?」


【あの人】は5秒代前半だよ。もっと気持ち悪いよ。


『千歩は?』

「この流れで言うの結構きついなー。」

『自分で振ったけどね?』

「……里香ちゃんの意地悪!!
7秒代後半〜8秒代前半……。」


『早いんじゃないの?』

「……そう?」


あ、千歩の周りに花飛び始めた。単純だ。頭をよしよしと撫でればとっても笑顔。犬か?