「でも、羽衣、本当に気を付けて。

一ノ瀬くん、
とてつもなく人気あるから、

一方的な思い込みで
嫌がらせしてくる人も
いるだろうし」


「一ノ瀬くんの周辺監視、
異常なまでに厳しいから」


「う、うん。気を付ける」


ふたりに大きく頷くと、
叶奈ちゃんが不思議そうに首をかしげる。


「そういえばさ、
前から聞きたかったんだけど、

羽衣ちゃんと一ノ瀬くんって
いつからの知り合いなの?

中学、違うんだよね?」


「塾が一緒だったんだよね」


そう答えた朝歌に、
うんうんと頷きながら続ける。


「一ノ瀬くんと朝歌と私は、
中3のときに塾が一緒だったの。

ついでに隣のクラスの山田も。

でも、一ノ瀬くんは
部活で休んだり遅刻してくることが
多かったから

話したことはなかったんだけど……」