天野に馴れ馴れしく
触っていた茶髪の姿が
脳裏から離れない。


あいつ、天野と、
どんな関係なんだよ。

なんで天野のこと、
名前で呼んでるんだよ。


なにより、

『俺の羽衣』ってなんなんだよ。


聞きたいことが、
頭のなかでぐるぐるとまわる。


天野、ほかの男と、話すなよ。

ほかの男に触らせるなよ。


「い、いちのせくんっ! 
ど、どう、どうしたの⁈」


腕の中で動揺しまくる天野に、
なんとか絞り出したのは。


「天野……眠い……」


「……はい?」


天野の肩に頭を乗せて、
うしろから強く天野を抱きしめた。